*

支援物資(2) 震災直後は・・・

公開日: : 最終更新日:2016/03/11 支援物資について, 東日本大震災体験談

今回の大震災の被災者は、社内だけでなく、国内、国外等から沢山の支援を頂き、本当に言葉では表すことが出来ない程の、感謝、感動、人のありがたみを実感しています。

私は、これまで災害支援などには、無頓着だったことに、人間性に欠けている部分を痛感し、今度は、同じ様な状況が発生した場合には、被災経験者として、いろいろな形で支援実行することが、今回、支援して頂いた方々への恩返しになるものと思っています。

そのような中、あくまで被災者の立場、支援物資の受け取る立場での、心境や変化などを紹介し、記録に残すことで、私含め、これらの支援物資を提供する側になった時に参考となり、喜ばれる支援物資の提供につながればと思います。

あくまで、私個人的な考察ですので、被災者全員の統一見解ではないことだけは承知願いします。

とにかく、家を流出した被災者は全財産を失った状況です。

私の場合は、奇跡的に2階部分が、流されながらもそのまま残っていたので、多少の物品は回収しましたが、全体からすれば微々たる物です。

親戚とかに、
“何か必要な物はないか!?”
“何でも良いから遠慮なく言って!”
って何人もの人に言われても、被災直後、とにかく目先のことしか考えられず、被災者としては初めての立場なのでまとまらないのです。

何千万円もの財産を失っている状況で、当然、遠慮する気持ちもあり、それ以上に、被災直後はライフラインも寸断状態で、その時点で考えることは、

“生きられればよい”

なんです。

従って、衣料がなければ衣料(津波等で濡れていた場合など)、食料がなければ食べ物、飲み物という第一声になるのでしょうが・・。

私の場合、工場が避難場所でしたので、衣料は別に1週間同じ物を着ていたって死ぬ訳でもなく、いつか(自分の好きな物を)買いに行ければ良いし、食料は非常食はあるし、被災を免れた社員からの、ありがたい差入れもあったりし、受水槽には飲料水も沢山あり、当面は生きられる。

結果的に、親戚や妹達には、
“(今)必要な物はない、大丈夫”
という回答になってしまうのです。

ところが、親戚や妹などは身内が大変な状況になっている訳で、それでは済まないみたいで、それぞれの判断で支援物資を考え、自宅にある余剰品をかき集め、買い集め、少しでも昔の生活に早く戻ってもらいたい!
との行動に出ると察します。

身内だけでなく、同じ社員として、地元出身者として、同じ日本人として、同じ人間として、何とかしてあげたい!と、支援物資の提供になるのではないでしょうか?

その際、支援物資を何にするか?を考える場合、“衣食住”に分けられると思います。

支援物資(3) 衣食住の衣 につづく

スポンサードリンク

関連記事

no image

私の家族(5) 女房の死亡確認

以前に、女房の死亡確認において、情けない失態をさらすことになることに触れましたが、恥を忍んで発信しま

記事を読む

no image

3月14日の行動(3) 情報基地

千厩(岩手県一関市)での買い物を終え、工場に戻ると、既に、海外工場出向組、気仙沼出身組が2台の車で無

記事を読む

no image

3月12日の行動(4) 予想を遥かに超える津波

あるべき物が何もないんです。 そしてある訳がない物があるんです。 我が家の庭に、小型

記事を読む

no image

支援物資(4) 食と住

支援物資を何にするか?を考える場合、 “衣食住”に分けられる。 “他の人だけでなく被災者

記事を読む

no image

3月14日の行動(2) 避難物資の買物教訓

千厩町(一関市)の郊外の大手スーパーやホームセンターに開店待ちで並んでいる状況を無視し、私達は、どの

記事を読む

no image

3/17~31の活動(5) 仮事務所の増殖

発電機が手に入り、組立できる製品の部材の出庫や組立作業を開始するとなると、製品物流以上のコンピュータ

記事を読む

no image

私の家族(7) 母の死亡確認

最後に発見された母の時まで、何体の遺体の顔写真をみたことか・・・。 きれいなままの顔もあれば、

記事を読む

no image

3月12日の行動(2) レスポンスの早さ

確か工場点検後、避難場所の玄関フロアに戻った時だったと思いますが、地元運送業者のD社の専務さんが心配

記事を読む

no image

3/17~31の活動(1) 協力体制

これからは日付毎ではなく、分野毎に発信していきます。 3/17(木)、この日から地元の運送業者

記事を読む

no image

生産再開へ(3) 電気と水道の復旧

3月は年度末対応として、工場は製品在庫品の出荷、及び、可能な範囲での製品及びパーツの組立に注力してい

記事を読む

スポンサードリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサードリンク

no image
時間をかけてはいけない罹災証明書

元旦に発生した能登半島地震の被災者のために、震災を体験し、被災者(自宅

no image
時間が解決してくれる(再建)

元旦に発生した能登半島地震の災害ニュースを見る度に、東日本大震災時の状

no image
時間でしか解決しないことがある(避難・仮設住宅)

元旦に発生した能登半島地震の災害ニュースを見る度に心が痛みますが、13

no image
時間でしか解決しないことがある(こころ)

東日本大震災から13年が経とうとしています。 震災から5年後には

日常と節目と語り部

東日本大震災から10年という節目を迎えるにあたり、前回に引き続き、私が

→もっと見る

PAGE TOP ↑