家族からのメッセージ(8) 一番伝えたいこと
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最終更新日:2016/03/11
家族からのメッセージ, 東日本大震災体験談
私は、毎年 お母さんの実家へ夏休みと冬休みに5日間ぐらい泊まっていました。
ですが、この東日本大震災で3人の家族と1匹の犬を失いました。
家は跡形も無く壊されて、骨組みすら残っていませんでした。
でも失った家族との思い出は絶対に消えません。
おばあちゃんはいつも美味しいご飯を作ってくれました。
中でも一番おいしかった夕ご飯は、おばあちゃん特製カレーです。
大きく切った野菜がたくさん入っているカレーはみんなが大好きでした。
おじいちゃんは私達が泊まりに来る前の日に新鮮なお魚を用意してくれています。
夏休みはおじいちゃんとおばあちゃんで作ったトウモロコシを収穫する事が一番大好きでした。
みんなでかぶりついたトウモロコシはどこの物よりも甘くておいしく感じました。
より子ママは仕事が忙しい中でも私達が泊まりに来た時はいつもパパと一緒に楽しい所に連れて行ってくれます。
夏は海や夜釣りなど・・・冬は除夜の鐘打ちや初詣です。
でも、夏冬関係なく私が楽しみにしていたのが、一緒に入るお風呂の時間です。
その日のことを話たり、学校であった嬉しかったことなどをいっぱい話しました。
犬のチーズはゴールデンレトリバーです。
力が強くお散歩はいつもより子ママが連れて歩いていました。
でも、やっと私も大きくなって少し前から1人でリードを持ってお散歩出来るようになりました。
その時は、いつものお散歩コースがまるで違う道を通っているかのようなドキドキ感がありました。
他にも、もっともっと沢山の思い出があります・・・
でも、今、一番伝えたいことは一つです。
『おばあちゃん、おじいちゃん、より子ママ、チーズ・・・いっぱい、いっぱい楽しい思い出を本当にありがとう』
編集後記
妹(長女)の次女は、震災当時、小学生でした。
実家に来るのが大好きで、女房をもう一人のママのように慕っていて、また、チーズは姪の家から、姉妹の一匹を譲ってもらった愛犬でしたし、大好きだった祖父母も一瞬のうちに失ったので、相当なショックだったと思います。
中学校になっても、精神的に不安定な日々が続きましたが、周りの方々からの励ましなどによって少しづつ立ち直り、現在は高校生活をエンジョイしているみたいです。
甥や姪にも、辛い、悲しい思いをさせてしまいましたが、この経験を活かし、亡くなった家族の分まで幸せになってもらいたいと思います。
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