家族からのメッセージ(3) 私のこころ-1
公開日:
:
最終更新日:2016/03/11
家族からのメッセージ, 東日本大震災体験談
3月の震災から1年が経とうとしています。
この1年、あっという間に過ぎて行った気がします。
いつ桜が咲いて散っていったのか、ひまわりがいつ咲いていたのか、いつの間にか紅葉が終わっていて、気づけば雪が降っていました。
3月11日、あんなにも一日が長く感じたのは過去にも未来にもこの日だけだと思います。
お兄ちゃんと連絡が繋がって、ママの実家と連絡が繋がって、最後はパパと連絡が繋がって、誰かと連絡が繋がる度に安堵しました。
それと同時に不安も募る一方でした。
それからは、本当に一日が早く過ぎていきました。
3月の下旬から4月の上旬までは、叔母ちゃんが埼玉に非難して来ていたので、1人でいるのは怖いと思い、一緒に避難先でお世話になりました。
暖かい料理と、〇〇(叔母の息子)の明るさで凄く癒されました。
仮の実家(みなし仮設扱いのアパート)が決まるまで、帰省した時はママの実家に泊まらせてもらって、叔母ちゃんの暖かい手料理を食べて、心がホッとしました。
4月からは学校も始まり、東京に戻って1人暮らしを再開しました。
10月には、無事に就職も決まりました。
入社試験前日に仙台の叔母ちゃんの家に泊まらせていただき、面接の極意を教えてもらって、入社試験に挑みました。
結果、内定を貰えることが出来ました。
震災があってから、就職を東京にするか宮城にするか悩みました。
宮城にしたら、やりたい仕事に就けるか分からない、けど、東京で就職しても1人でやっていけるか分からない。
悩んだ末に、家族の近くに行きたい思いから宮城に決めました。
この決断は、逃げなのかもしれない。
でも、今の私には東京という土地で何年も仕事をするのが不安でしかたなく、宮城に就職するという道を選びました。
無事に就職も決まり、今は友達といっぱい笑って美味しい物を食べて、色んなとこに観光に行って、最後の学生生活と東京生活を楽しく生活しています。
私はおじいちゃんっ子でした。
小さい頃はじいちゃんの膝の上に座ってご飯を食べたり、暴れまっこ(まっこ=馬)で遊んだりとじいちゃんにべったりでした。
高校になっても、送り迎えしてもらったりして、いつまでも甘えてました。
ばあちゃんは料理が上手で、私はばあちゃんの美味しい料理を食べて、縦にも横にも大きくなりました。
成績が上がったことや、検定に受かったこと、一番ばあちゃんが喜んでくれていました。
ママは働き者で、私が物心付いた頃には毎日仕事に行っていました。
私が高3の冬に仕事を退職してから、ママとたくさん話すようになって、色んな場所にゆっくり行くようになりました。
わがままな私にたくさんの愛を注いでくれていたのに、私の反抗期は一番3人に向かっていました。
喋るのが面倒くさくて、じいちゃんやばあちゃんの質問に素っ気無く答えたり、ママとはたくさん喧嘩して、何度も言い合いになりました。
1年経ちますが、情けないことに気持ちの整理はまだ着いていません。
家族を失うのが、こんなにも辛く、苦しいとは思ってもいませんでした。
頭に浮かぶのは、楽しかった思い出よりも、寂しさと後悔、そして将来の不安です。
もし、私が実家に帰っていたら、こんなことにならなかったかも知れない。
もっとじいちゃんとばあちゃんに優しくしてあげればよかった。
もっとママに色んなことを教えて貰えばよかった。
内定決まったよって教えたかった、振袖姿を見せてあげたかった。
美味しい物ご馳走してあげたかった、旅行に連れて行ってあげたかった。
ごめんねって伝えたい、ありがとうって伝えたい。
考えれば考える程、後悔でいっぱいです。
スポンサードリンク
関連記事
-
-
家族からのメッセージ(9) お元気ですか?-1
お父さん、お母さん、より子お姉ちゃん お元気ですか? そちらの様子はどんな感じなのでしょうか?
-
-
支援物資(3) 衣食住の衣
支援物資を何にするか?を考える場合、“衣食住”に分けられる。 提供受けた側の経験談として、 “
-
-
家族からのメッセージ(5) 家族のつながり
目を閉じれば そこには懐かしい故郷の景色、幼い頃の楽しかった思い出。 そして優しかった父、母、
-
-
支援物資(1) 感謝と感激
3月19日の朝に、それまでの支援物資の量とは比較にもならない、沢山の支援物資を、日本全国のみならず、
-
-
私の家族(2) 父の死亡確認
翌日(3/18)の午後、K次長にも立ち会ってもらい、父の死亡確認を行うことになりました。 初め
-
-
私の家族(震災から7年)
東日本大震災から7年が経過しました。 その経過の中で一番感じることは、残された家族・親族との絆
-
-
生産再開へ(3) 電気と水道の復旧
3月は年度末対応として、工場は製品在庫品の出荷、及び、可能な範囲での製品及びパーツの組立に注力してい
-
-
家族からのメッセージ(10) お元気ですか?-2
より子お姉ちゃん、膝の調子はどうですか? 無理をしていませんか? 愛犬チーズはおりこうさんにして
-
-
3月11日の出来事(2) 帰せコール
「こんな状況で仕事は出来ない」「家族が心配だ」「大津波警報が発令した」等の意見があいつぎ、 “
-
-
3月16日の行動(3) 決意
本来の避難場所が避難場所にはならなかった状況は、私たちの予想を遙かに超える悲惨な状況でした。
スポンサードリンク
- PREV
- 家族からのメッセージ(2) 強くなる
- NEXT
- 家族からのメッセージ(4) 私のこころ-2