さいごに(2) 帰宅許可について
今回、奇跡的に工場社員の犠牲者はいませんでしたが、大震災・大津波警報発令の直後の帰宅許可は、工場責任者としては適正な判断とは思いません。
下記に工場の今後の対応について、私なりの原案を提示しますので、皆さんにも考えてもらい、帰宅時の自己責任の原則は変わらないにしても、 “安全性、精度を上げた取り決め” にしていってもらいたいと思います。
他の事業所・営業所などでも、それぞれのリスク要素に応じて取り決めした方が良いのではないでしょうか?
【就業時間内に大地震、大津波警報が発令した際の帰宅の許可(原案)】
・・・省略・・・
編集後記
原案につきましては、働いていた工場が、大津波であっても安全な立地状況にあり、今回の場合は、災害が発生した直後に、安全な工場から、大津波に対してリスクが非常に高い通勤ルートへの帰宅許可のあり方、という、特異的なケースでのルールのあり方であり、省略させていただきました。
これからは、会社の立地条件や周囲環境などを考慮し、就業時間内に起こりうる天災(大地震や大津波だけでなく、台風や竜巻、河川氾濫、土砂崩れなど)のリスクを洗い出し、万一、そのような状況になった際の防災・減災に対するルール付けが非常に重要になります。
東日本大震災(大津波)の発生時刻は、平日の通常の会社であれば勤務時間帯でした。
その様な中で被災(流出など)した会社には、社員やお客様が当然のように居て、その会社の立地や諸条件の中で、様々な判断・指示・行動になっていきましたが、未曾有の大震災においては、当時の予想をはるかに超える大津波により、結果的には判断が甘く、多くの犠牲者を出すことになったのです。
その結果、残された遺族の中には、その判断・指示・行動させた会社に納得するこは出来ず、裁判を起こしたケースも少なくありません。
もし、私が在籍していた工場の社員が犠牲になっていたとすると、責任者の私や会社が犠牲になった社員のご家族から訴えられていた可能性だってあるのです。
それぞれの裁判では、原告側(遺族)が勝訴したり、敗訴したり、和解したり、とそれぞれのケースにおいて様々です。
被告側(会社)は、『そこまで大津波が来ることは予知できなかった。』が一般的な弁護になり、会社の立地や諸条件によって、裁判結果が分かれるみたいです。
しかし、
これから起こりうる大震災(特に大津波)においては、そのような弁護は通用しない!
と考えるべきです。
東日本大震災を教訓として、例えば南海トラフ巨大地震など、全国的に起こりうる大震災の規模の見直しが行われ、それによって予想被害範囲や災害規模の見直しが行わています。
最低限、各地で見直しされた災害リスクに応じた防災・減災対策のルールを明確にしておかなければならないのです。
私は東日本大震災を経験し、
『自然災害に対し、防災という言葉は通用しない』
と考えるようになりました。
できたとして『減災』です。
そして、どのような自然災害に遭ったとしても、
『最低限の減災として人命を守る!』
そのことを、本気で会社や経営者は考える責任があります。
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