活断層による直下型地震に対する認識の甘さ
公開日:
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最終更新日:2018/09/06
防災・減災提言
熊本・大分に続き、大阪で発生した直下型地震の被害の大きさについて、私は東日本大震災の被災者・経験者として、認識の甘さをつくづく思い知らされました。
一番、残念なことは、
『まさか、自分のところが、こんな被害に遭うとは想像すらしていなかった・・・』
という、東日本大震災で多くの方々が思っていた状況が繰り返されたことです。
自然災害は絶対に避けては通れません。
従って、自分が住んでいる場所を認識し、自然災害に遭う危険性、遭遇する可能性のある自然災害の特徴、その自然災害に遭った場合の被害の大きさなどを事前に検討・予測し、それに応じた、防災・減災の準備を行うことが重要です。
今回の直下型地震の状況から、これまでのブログでは地震よりも津波のリスクに対する防災・減災を提言しましたが、直下型地震に関しての防災・減災についても提言したいと思います。
同じ震度でも遠い海底プレートの地震と直下型地震の違い
活断層に伴う直下型地震の大きさ(マグニチュード)は海底プレートの地震の規模より小さいですが、震源が浅くで地表に近いために、震度(地震の揺れの大きさ)は同規模の震度7とか6強とかになります。
更に、震度が同じであっても、直下型地震の揺れの振幅の特徴は、建築物に対して倒壊など甚大な被害を及ぼすことが分かっています。
確かに東日本大震災では、同じ震度でも家屋が倒壊するような被害はあまり聞きませんでした。
それに比べ、阪神淡路大震災にしろ、熊本・大分の直下型地震にしても、多くの家屋が倒壊したり、架橋が倒壊したり、耐震基準をいかに上げようが、防ぐことが困難な揺れの大きさということになります。
そして、恐ろしいことに、津波の場合はタイムラグがありますが、
直下型地震の場合は揺れが発生した直後に家屋などが倒壊し犠牲になる可能性が高い!
のです。
直下型地震の場合、
『地震が発生したら、まず、元栓などの火の始末・・・。これは大きな間違いです』
まずは自身の命を守ることを最優先に、家屋から外に出られるなら即座に外に避難する。
それが不可能なら、家屋が倒壊しても助かる可能性が高い場所を見つけて避難する。
直下型地震につながる活断層の存在を認識する。
地震の予知の観点において、海底プレートによる地震の場合、数十年から数百年の間隔で発生するので予知は比較的容易みたいです。
実際、宮城沖地震は30年以内に90%の確率で発生すると言われていたなかでの東日本大震災でした。
しかし、直下型地震の場合は地震を予知することが困難なようです。
同一の活断層での大きな地震の発生は、数百年から数十万年に1回の頻度なそうで、活断層の存在は認識しつつも、いつ地震が発生するかの予知は難しいようです。
しかし、活断層の存在自体は知ることができます。
産総研で公開している『活断層データベース』によって、住んでいるところに活断層が存在しているか確認することが出来ます。
ちなみに、私が住んでいる地区に活断層は確認されていないので、直下型地震に遭遇するリスクは低いと一安心です。
とにかく、住んでいる地区に活断層の存在の有無を確認し、無ければ安心するし、あれば家族みんなで、万一、直下型自身が発生した際の防災対策を話し合うことが重要だと思います。
その際には、発生が想定される時間帯毎(家にいる場合、学校や職場に行っている場合など)に検討する必要があります。
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