減災の準備 飲料水の備蓄について
人が生きていく上で必要不可欠な、飲料水の備蓄について考えてみたいと思います.
東日本大震災の時、私は工場に避難していましたが、その工場では水を大量に使用するために、上水道水を一旦、受水槽に貯め、ポンプアップにて使用していました。
従って、震災で断水になっても、受水槽には大量の水(飲料水に可能)がストックされており、停電により、ポンプが作動できず、水道蛇口からとはいきませんでしたが、受水槽の点検口から汲み上げて飲料水として使えていましたので、震災直後から飲料水に苦労することはありませんでした。
しかし、そのような設備がある避難先は稀であり、震災時に、いかに生命の源である『水』を、避難先や自宅で確保できるかどうかが重要になります。
震災の規模にも関連しますが、東日本談震災のような大規模災害においては、最低、2,3日分の飲料水は自ら確保しておく必要があります。
給水車や給水タンクが避難先に届くまでには、その位の日数がかかることが予想されるので、その間をしのぐ必要があるのです。
実際、震災の翌日には、別の避難場所の担当者が飲料水を確保すべく、工場に辿り着き、受水槽から飲料水を提供し、更には、生活用水に出来る『湧き水』の場所を教えたりしました。
それでは、最低限、どの位の飲料水を確保すれば良いのか?
一般的に体重50kgの成人が必要とする水の量は、一人一日当たり2.5リットルと言われています。
通常ですと食事から1リットルの水分が摂取できますが、非常時には、非常食の含水量の関係や非常食にも水を使うケースを考えると、2.5リットルは準備すべきだと思います。
体重50kg以上の体重の人や子供さんなどの体重が少ない家族もいると思いますが、平均的な単純計算にて、
2.5リットル×人数×最低必要日数
で計算し、最低限の飲料水の備蓄量を算出しましょう。
例えば、四人家族で2日分を確保(備蓄)するとなると、
2.5リットル×4人×2日=20リットル
という計算になります。
備蓄する際には、2つのポイントがあります。
一つは、災害リスクが低く、安全な場所に備蓄すること。
津浪による流失など、自然災害に遭ってしてしまう可能性の高い住宅に備蓄しても、意味がありません。
もう一つは、災害用の備蓄という概念ではなく、『多めのストック』的な考え方にたち、普段の生活の一部にすることです。
ペットボトルやウォーターサバーを愛用しているのであれば、最低備蓄量を考慮したストック量(安全在庫)を設定し、先入れ先だしを徹底し(ストック分も停滞させずに使用していく)、使用した分だけ買い足す考え方で、生活の一部に組み込むことをお勧めします。
そうすることで、災害がなければ無駄な備蓄扱いになったり、保存期限を気にすることがなくなります。
また、震災から数日間は、貴重な飲料水を、それ以外に用途(生活用水など)に使わない工夫も必要になります。
例えば、食事の際の食器洗い。
紙皿、紙コップなどを活用したり、食器に食材を直接乗せるのではなく、ラップを敷いてその上に食材を乗せ、食器を洗うという行為自体を無くし、貴重な飲料水は飲料のために使うことに徹底しなければなりません。
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