梅雨前線に伴う線状降水帯の恐ろしさとハザードマップ
台風より怖い梅雨前線に伴う線状降水帯!?
単純に比較してはいけないのかも知れません。
しかし、今回の九州、中国・四国、関西、中部地方と広範囲で被害は死者200名を超え、洪水・土砂災害の中では一番、被害が多かったことからは、梅雨前線に伴う線状降水帯は、台風に匹敵、いや、台風以上に警戒し、事前の防災・減災意識を高めて、行動に移すことを改めて感じた出来事になりました。
台風は基本的にゆっくりであれ早くであれ、進路が予測でき、進行していく傾向に対し、梅雨前線は停滞する特徴を保有し、そこに線状降水帯が出来てしまうと、同じ場所で長時間にかけて、豪雨が続く状況になります。
そして前線自体が長く、広範囲に続くので、被害が各地で発生してしまったということになるのです。
台風の威力もそうですが、地球温暖化に伴い、これまで以上に湿った空気が入りやすくなり、線状降水帯ができやすく、昔では考えられなかった、Ⅰ時間に100㎜を超す降水量になったりしています。
ハザードマップと重なった浸水域
ニュースによると、住宅地が大規模に冠水した岡山県倉敷市真備(まび)町は、過去にも氾濫、浸水を繰り返していて、倉敷市が各地区ごとに作成していた洪水ハザードマップの想定浸水域と今回の実際の浸水域がほぼ一致していたそうです。
にもかかわらず、50名を超える犠牲者を出してしまっているのです。
その根底には、
『予想していなかった、予想を遥かに上回った。』
『過去にこんな状況を経験したことがなかった。』
ニュースで被害を受けた方々のインタビューでよく聞くこと言葉です。
東日本大震災でも同じでした・・・。
しかし、行政ではハザードマップを作成し、今回の浸水はある程度、予測していたことになります。
倉敷市ではハザードマップを作成し全戸に配っていたそうですが、ある住民は『そんなものがあったとは知らなかった』と言っている人がいたそうです。
行政と住民それぞれの意識改革が必要
行政は『ハザードマップを作りました!配布しました!』で終わってはいないでしょうか?
住民は『そんなものがあったとは知らなかった』ってことは、無関心だったのではないでしょうか?
ハザードマップの目的は作成し配布することではありません。
ハザードマップを住民が関心を持って理解し、防災・減災の準備を検討し実行に移すことで、初めて目的を果たせるのではないかと思うのです。
実は、恥ずかしながら、東日本大震災の前は、減災・防災には無関心で、津波に対してどうするかなど考えてもいませんでした。
その結果が、大きな代償を生んでしまいました・・・。
経験して初めて後悔し意識が変わります。
行政も住民も・・・。
現在の私は、見えるところに津波の新水域のマップを貼り、防災・減災への行動につなげています。
家族・親戚の誰でも良いので声を上げよう!
家族・親戚の誰でも良いのです。
- 我が家は大丈夫なのだろうか?災害のリスク度合いはどうなの?
- 実家は大丈夫なのだろうか?災害のリスク度合いはどうなの?
- 親戚の家は大丈夫なのだろうか?災害のリスク度合いはどうなの?
気になったら、まずは調べてみましょう!
その把握のために、国土交通省が発信している『ハザードマップポータルサイト~身のまわりの災害リスクを調べる~ 』が非常に参考になると思います。
土交通省ハザードマップポータルサイト~身のまわりの災害リスクを調べる~
はこちらから
そして、災害に遭うリスクが高い時は、実際のハザードマップを見せて、ハザードマップと同じような災害があった事実を話し、
何もなければ良いけど、念のために!
って、万一のために、避難するタイミングや避難先、避難する際の防災グッズの準備など、とにかく、
最低限、命を守る!
ことを最優先に、話し合って、考え合って、行動に移してもらいたいものです。
災害経験者だからこそ言いたいことは、経験していないから無関心ではなく、経験していなくても関心を持って調べて、家族や親戚を巻き込んで話し合い、防災・減災のための準備を行い、最低限、命を守る!
一人でも多くの方が、このような行動に移ってもらいたいと願ってやみません。
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