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時間でしか解決しないことがある(避難・仮設住宅)

公開日: : 最終更新日:2024/01/17 被災者・遺族として震災体験からの教訓

元旦に発生した能登半島地震の災害ニュースを見る度に心が痛みますが、13年前の私と同じように、震災に遭って被災者や遺族になってしまい、過酷な環境下で、精神的にも甚大なダメージを受けている方々に、震災体験、復旧・復興プロセスを体感したからこそ、教訓として伝えることで、私と同じような立場になった方々へ、少しでもダメージの軽減になればとの思いで発信することにしました。

今回はハード的な面として、ライフラインの復旧、避難所、仮設住宅に関しての教訓です。

東日本大震災に酷似している状況は・・・

東日本大震災の後も、甚大な自然災害が発生しており、特に、線状降水帯や台風などによる水害が多いと思いますが、今回の能登半島地震の災害は、ニュースを見る限り、あまりにも東日本大震災の災害に酷似していると感じます。

東日本大震災の災害に酷似しているということは、『復旧・復興や住宅・生活再建にそれ相当の長い時間がかかる』ということを覚悟する必要があります。

まず、復旧・復興のベースとなるライフライン(電気、水道、交通網、情報通信)の復旧に時間がかかり、従って、生活や住宅の再建も追従して時間がかかることが予想されます。

ライフラインの復旧に時間がかかる災害酷似

ニュースなどから見える災害の状況が、地震によるものか、津波によるものかの原因は異なるにしても、余りにも、この地区で発生した東日本大震災の災害と酷似しているのです。

ライフラインの復旧に時間がかかる災害状況として

  • 地面の亀裂や隆起など(こちらはほとんどが大津波)に伴う、大規模な電柱の倒壊や水道管の破断など
  • 大規模な道路の寸断や亀裂や隆起
  • 広範囲の火災(こちらでは流出した海上の油に引火し、海上火災から陸上火災に延焼)
  • 建物の倒壊・損傷(水道浄化施設などのライフライン施設の損傷の可能性)

ライフラインの復旧時間は、その地区の被災状況などによって異なるとは思いますが、長い所では復旧するまでに数ケ月かかる所もあるとの認識と覚悟が必要だと思います。

特に、マンパワー・設備・部材の制約がある中で、電気や水道や情報通信などの復旧には優先度(役場などの公共機関や避難所などや人口が多いところが優先)があり、ライフライン拠点施設から離れていて、人口が少なく地方になるほど、家庭用のライフラインの復旧時間が長くなります。

場所によっては、事情によってライフラインの復旧自体を行わない地区が出ることも考えられますので、刻々と変化する行政の復旧・復興計画などにも注視する必要があります。

家族や地域の全体最適に向けた避難生活を!

能登半島地震に伴う避難所生活の選択も、東日本大震災の教訓を生かしてもらいたいと思っています。

本日のニュースで避難所の選択が増えてきた様です。

1次避難所・・・現在、避難しているところ。

1.5次避難所・・・大規模スポーツセンターで2次避難所へのつなぎ役

2次避難所・・・被災地以外(※)のホテルや旅館

東日本大震災での避難生活を振り返ってみると、1.5次避難所はなく、2次避難所も十分ではなかったと記憶しています。
大体が行政区毎に家族ごとに、長期の1次避難所での避難生活だったように思います。

性別や年齢によって、避難所生活に伴う体力・耐力が異なり、当然ながら家族内でも異なります。

あくまで避難所生活は限定期間です。

高齢者や幼児さんがいる家族においては、体力・耐力があるお父さん・お兄さんなどは1次避難所でボランティアしながら過ごしても良いですが、高齢者や幼児がいるお母さん、妊婦さん等は、一時的に家族と離れ、1.5次避難所や2次避難所に避難して健康を維持するのも必要ではないかと思います。

その時の注意点としては、地区のコミュニケーションを取ってきた同世代の方々と一緒に行動することで、避難所生活での孤立防止につながるのではないかと思っていますので、是非、家族や地区の方々と話し合ってもらいたいです。

※2次避難所について、現時点では被災地以外の営業中のホテルや旅館になりますが、ライフラインが復旧し営業再開できる被災地のホテルや旅館も2次避難先になり、行政支援によって被災地のホテルや旅館の存続にも貢献する可能性があります。

仮設住宅の選択

行政ではライフラインの復旧に注力しながら、平行して仮設住宅の建設や指定検討(みなし仮設住宅)し、住宅再建までのつなぎとして仮設住宅に入居を希望する住民分を確保します。

マンパワー・設備・部材の制約があるので、入居できる時期は場所によってばらつきます。

仮設住宅には、

  • みなし仮設住宅
  • 通常の仮設住宅

があり、それぞれの利点・欠点があり、以前のブログでまとめていますので、選択の前に読んで頂ければ参考になると思います。

ニュースで、「アパートに入りたいが賃料が高かったので諦めた」みたいな話がありましたが、被災地のアパートなどの貸家は、そのうち『みなし仮設」として登録される可能性が高いです。

みなし仮設住宅への入居を希望し、入りたい空き室のアパートなどを見つけたなら、

『みなし仮設住宅扱いになったら入居したいので確保しておいてもらえないですか?』
みたいな交渉する価値があると思います。

仮設住宅扱いになれば、賃料は借りた被災者(罹災証明が必要)が払うのではなく、行政が借り上げて支払うので大家さん等が損することもないのです。

仮設住宅に関するブログはこちら

(つづく)

 

 

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